2026-01-14
インプラントと入れ歯の違いとは?
歯を失ってしまったとき、多くの方が悩むのが
「インプラントと入れ歯、どちらを選べばいいの?」という問題です。
どちらも歯の機能を補う治療法ですが、噛み心地・見た目・費用・治療期間・将来への影響 など、実は大きな違いがあります。
「しっかり噛めるようになりたい」
「できるだけ自然な見た目にしたい」
「手術は不安・・・」
「費用はどれくらいかかるの?」
こうした不安や疑問を抱えたまま、判断を先延ばしにしている方も少なくありません。
インプラントと入れ歯には、それぞれ 向いている人・向いていない人 があり、年齢やお口の状態、ライフスタイルによって最適な選択は変わります。
大切なのは、違いを正しく理解したうえで、自分に合った治療法を選ぶことです。
本記事では、
「インプラント」と「入れ歯」の違い
を治療方法・費用・噛み心地・見た目・寿命・メンテナンスなどの観点からわかりやすく解説し、後悔しない選び方のポイントまで丁寧にお伝えします。
治療を検討中の方が、安心して一歩を踏み出すための参考になれば幸いです。
【インプラントとは?】
インプラントとは、歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。
見た目や噛み心地が天然歯に近く、「自分の歯のようにしっかり噛める」ことから、近年選ばれる方が増えています。
従来の入れ歯やブリッジとは異なり、顎の骨に直接固定されるのが最大の特徴です。
そのため、食事中にずれたり外れたりする心配が少なく、硬いものでも力強く噛むことができます。また、周囲の健康な歯を削る必要がない点も、大きなメリットといえるでしょう。
一方で、外科的な手術を伴う治療であるため、治療期間や費用、全身状態などを考慮した慎重な判断が必要です。
まずは、インプラント治療の仕組みから具体的に見ていきましょう。
◼︎治療のしくみと手術工程
インプラント治療は、大きく分けて
「人工歯根を埋め込む工程」
と
「人工歯を装着する工程」
の2段階で進みます。
まず、顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込む外科手術を行います。
チタンは生体親和性が高く、骨としっかり結合する性質があるため、治癒期間を経ることで強固な土台が完成します。
この 骨とインプラントが結合する現象(オッセオインテグレーション) によって、高い安定性が得られます。
その後、骨との結合が確認できた段階で、土台の上に人工歯(被せ物)を装着します。
治療期間はお口の状態によって異なりますが、数か月〜半年程度を目安に考えるケースが一般的です。
◼︎メリット
インプラントの大きなメリットは、機能性と審美性の高さです。
たとえば、
-
天然歯に近い噛み心地で、食事を楽しめる
-
見た目が自然で、口元に自信を持ちやすい
-
周囲の歯を削らずに治療できる
-
しっかり固定されるため違和感が少ない
といった点が挙げられます。
特に「入れ歯が合わずに食事がしづらい」「人前で外れないか不安」といった悩みをお持ちの方にとって、インプラントは満足度の高い選択肢になりやすい治療法です。
◼︎デメリットと注意点
一方で、インプラントには注意すべき点もあります。
-
外科手術が必要
-
保険適用外のため費用が高額になりやすい
-
顎の骨量や全身疾患によっては治療できない場合がある
-
治療後も定期的なメンテナンスが不可欠
特に重要なのが、治療後のケアです。
インプラント自体は虫歯になりませんが、周囲の歯ぐきが炎症を起こす「インプラント周囲炎」を防ぐため、日々のセルフケアと歯科医院での定期管理が欠かせません。
そのため、「入れて終わり」ではなく、長期的にお口の健康を維持する意識が求められる治療法といえるでしょう。
【入れ歯とは?】
入れ歯とは、失った歯の代わりに人工の歯を補い、取り外しができる装置のことを指します。
歯を失った本数や位置に応じて形態が異なり、部分的に歯が残っている場合は「部分入れ歯」、すべての歯を失った場合は「総入れ歯」が選択されます。
インプラントと違い、顎の骨に人工歯根を埋め込む必要がなく、外科手術を行わない点が大きな特徴です。
そのため、身体への負担を抑えながら歯の機能を回復したい方にとって、比較的取り入れやすい治療法といえるでしょう。
一方で、噛む力や装着感、見た目などの面では個人差が出やすく、調整や慣れが必要になるケースもあります。
まずは入れ歯の基本的な種類と特徴から整理していきましょう。
◼︎種類(総入れ歯/部分入れ歯)
入れ歯は、失った歯の本数によって大きく2種類に分けられます。
部分入れ歯は、まだ残っている歯に金属のバネ(クラスプ)などを引っかけて固定するタイプです。
1本〜数本の欠損に対応でき、比較的短期間で作製できます。
ただし、残っている歯に負担がかかりやすい点には注意が必要です。
総入れ歯は、すべての歯を失った場合に使用します。
歯ぐき全体で支える構造のため、噛む力は天然歯より弱くなりやすいものの、噛み合わせや形状を調整することで日常生活に支障なく使用できるケースも多くあります。
また、入れ歯には 保険適用のもの と 自費診療のもの があり、素材や装着感、見た目に違いが出ます。
選択肢が複数あるため、事前の説明と比較が重要です。
◼︎メリット
入れ歯の大きなメリットは、身体的・経済的な負担が比較的少ない点です。
たとえば、
-
外科手術が不要
-
治療期間が短い
-
保険適用で費用を抑えられる
-
多くの症例に対応できる
といった利点があります。
特に「手術に不安がある」「できるだけ費用を抑えたい」「全身疾患があり外科処置が難しい」といった方にとって、入れ歯は現実的で安心感のある選択肢になりやすい治療法です。
◼︎デメリット
一方で、入れ歯には以下のような注意点もあります。
-
噛む力が弱く、硬いものが食べにくい場合がある
-
装着時に違和感や異物感を覚えやすい
-
会話や食事中にずれやすいことがある
-
顎の骨が徐々に痩せやすい
特に、「外れそうで不安」「しっかり噛めない」 といった悩みは、入れ歯使用者の方からよく聞かれる声です。
そのため、定期的な調整や、口腔内の変化に合わせた作り直しが必要になることも少なくありません。
入れ歯は「作って終わり」ではなく、使いながら調整を重ねていく治療法であることを理解しておくことが大切です。
【インプラントと入れ歯の違いを比較】
インプラントと入れ歯は、どちらも失った歯を補う治療法ですが、治療の考え方や日常生活への影響には大きな違いがあります。
「どちらが良い・悪い」という単純な話ではなく、何を重視するかによって最適な選択が変わります。
ここでは、患者さんから特に質問の多いポイントを中心に、両者の違いを具体的に整理していきます。
◼︎治療方法と手術の有無の違い
まず大きな違いは、外科手術が必要かどうかです。
インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込む外科処置を伴います。
その分、骨と一体化することで高い安定性を得られますが、手術に対する不安や全身状態の確認が必要になります。
一方、入れ歯は外科手術を行わず、型取りと装着が中心です。
身体的負担が少なく、持病がある方や高齢の方でも選択しやすい治療法といえるでしょう。
◼︎費用の違い
費用面も、多くの方が気になるポイントです。
インプラントは**保険適用外(自費診療)**となるため、1本あたりの費用は高額になりやすい傾向があります。その分、耐久性や機能性、長期的な満足度を重視する方に選ばれています。
入れ歯は保険適用が可能なケースが多く、初期費用を抑えやすい点が特徴です。
ただし、自費の入れ歯を選択する場合は、素材や構造によって費用が上がることもあります。
◼︎噛み心地と機能性の違い
噛み心地の面では、インプラントが天然歯に近いと感じる方が多いです。
顎の骨に固定されているため、硬いものでもしっかり噛め、食事の制限が少なくなります。
入れ歯は歯ぐきや残存歯で支える構造のため、噛む力はインプラントより弱くなりやすく、「硬いものが食べにくい」「力を入れると痛い」と感じる場合があります。
ただし、調整や慣れによって改善するケースもあります。
◼︎見た目・審美性の違い
見た目の自然さも、両者の違いが出やすい点です。
インプラントは、人工歯が歯ぐきから自然に立ち上がるため、見た目が天然歯に近く、口元の印象が変わりにくいのが特徴です。
入れ歯は、部分入れ歯の場合、金属のバネが見えることがあります。
最近では目立ちにくい素材もありますが、審美性を重視する方は注意が必要です。
◼︎寿命とメンテナンスの違い
インプラントは、適切なケアと定期的なメンテナンスを続けることで、長期間使用できる可能性が高い治療法です。
ただし、セルフケアを怠るとインプラント周囲炎のリスクが高まります。
入れ歯は、顎の骨や歯ぐきの変化に合わせて、数年ごとの調整や作り直しが必要になることが一般的です。毎日の取り外し清掃も欠かせません。
【どちらを選ぶべきか?判断のポイント】
インプラントと入れ歯は、それぞれにメリット・デメリットがあり、すべての方に同じ治療が向いているわけではありません。
大切なのは、「どちらが優れているか」ではなく、ご自身の口腔内の状態や生活背景に合っているかという視点です。
ここでは、歯科医院のカウンセリングで実際によく話題になる判断ポイントをもとに、選び方の考え方を整理します。
◼︎こんな方にインプラント向き
インプラントは、以下のような希望をお持ちの方に向いています。
-
食事をしっかり楽しみたい、噛む力を重視したい
-
見た目の自然さや口元の印象を大切にしたい
-
入れ歯のズレや違和感にストレスを感じている
-
周囲の歯に負担をかけずに治療したい
-
定期的なメンテナンスを継続できる
たとえば、「硬いものを避ける生活が続いている」「外食時に入れ歯が気になって楽しめない」といった方は、インプラントによって生活の質(QOL)が大きく向上する可能性があります。
ただし、外科手術が必要になるため、顎の骨の状態や全身疾患の有無などを踏まえた慎重な診断が欠かせません。
◼︎こんな方に入れ歯向き
一方、入れ歯は次のような方に適した選択肢です。
-
手術に不安がある、できるだけ身体への負担を減らしたい
-
治療期間を短くしたい
-
費用をできるだけ抑えたい
-
全身疾患などの理由で外科処置が難しい
-
将来的な治療変更の柔軟性を残したい
特に、「まずは噛める状態を早く取り戻したい」「治療へのハードルを下げたい」という方にとって、入れ歯は現実的で安心感のある治療法です。
最近では、装着感や見た目に配慮した入れ歯も増えており、調整を重ねることで快適に使えるケースも少なくありません。
◼︎迷ったときは専門家と一緒に考える
「自分にはどちらが合っているのかわからない」
これは、非常に自然な悩みです。
実際には、
-
骨の量
-
歯ぐきや噛み合わせの状態
-
残っている歯の本数
-
年齢や生活習慣
などを総合的に診断したうえで、最適な治療法を判断する必要があります。
インプラントか入れ歯かを最初から決めつける必要はありません。
かかりつけの歯科医院・もしくはお近くの歯科医院でしっかり相談し、メリット・デメリットを理解したうえで選択することが、後悔しないための近道です。
もちろん当院へご相談のみ、も大歓迎です!
【よくある質問(FAQ)】
インプラントと入れ歯については、治療を検討する段階で多くの疑問や不安が生まれます。
ここでは、歯科医院のカウンセリングで 特によく寄せられる質問 を中心に、わかりやすくお答えします。
Q:インプラントができないケースはありますか?
はい、あります。
たとえば、顎の骨量が極端に少ない場合 や、全身疾患のコントロールが不十分な場合 には、インプラント治療が難しいことがあります。
ただし、「骨が足りない=インプラント不可」とは限りません。
骨の状態を詳しく検査したうえで、他の治療法を含めて検討することが大切です。
Q:入れ歯が合わない・痛いと感じたらどうすればいいですか?
入れ歯は、作製後の調整が非常に重要な治療です。
痛みや違和感がある場合は我慢せず、早めに歯科医院へ相談しましょう。
歯ぐきや顎の形は時間とともに変化するため、定期的な調整によって快適さが大きく改善することも少なくありません。
Q:インプラントと入れ歯、途中で変更することはできますか?
ケースによっては可能です。
たとえば、最初は入れ歯を使用し、将来的に条件が整った段階でインプラントを検討する、という選択をされる方もいます。
そのためにも、長期的な視点で治療計画を立てることが重要です。
Q:年齢が高くてもインプラントはできますか?
年齢そのものが制限になることは多くありません。
大切なのは、全身の健康状態やセルフケアが可能かどうかです。
「年齢が理由で断られた」という方も、改めて相談してみる価値はあります。
【まとめ
〜インプラントと入れ歯の違いの総整理〜】
インプラントと入れ歯は、どちらも失った歯の機能を補う大切な治療法ですが、治療方法・噛み心地・見た目・費用・将来への影響には明確な違いがあります。
インプラントは、顎の骨に固定することで天然歯に近い噛み心地と安定性を得られる反面、外科手術や費用、治療期間を考慮する必要があります。一方、入れ歯は手術が不要で治療のハードルが低く、保険適用で費用を抑えやすい反面、噛む力や装着感に個人差が出やすいという特徴があります。
つまり、
「どちらが優れているか」ではなく、「どちらが自分に合っているか」
が最も重要な判断基準です。
年齢や健康状態、顎の骨の状態、生活スタイル、将来どのように食事や会話を楽しみたいかによって、最適な選択は変わります。また、最初から一つに決める必要はなく、段階的な治療計画を立てるという考え方もあります。
もし今、
「自分の場合はインプラントと入れ歯、どちらがいいのかわからない」
「今の入れ歯に不満があるけれど、どうしたらいいかわからない」
と感じているなら、まずは 歯科医院での相談・カウンセリング をおすすめします。
専門的な検査と丁寧な説明を受けることで、不安が整理され、納得のいく選択につながります。
治療はゴールではなく、これからの人生を快適に過ごすための手段です。
ぜひ一人で悩まず、安心して相談してみてください。




